
ぬいぐるみと少年 #01おかえりなさいご主人さま

少年(ぼくの暮らしている村は大きな火事ですべて燃えてしまった)
(もう動けない暑い、苦しい、もうここでぼくはしんじゃうのかな)
???「あーっ間に合った!生きてる?大丈夫?」

???「助けてあげようか?」
???「動けないの? 可哀想に!
ここ暑いし早く逃げよ」

???「おいで♥」
少年「ひっ」
???「やだ~そんなに怖がらないでよ
助けてあげるんだから
ほらココ乗って」

???「あれ? 漏らすほど怖かった?」
???「食べたりしないってば!ごめんね~
火が回ってきたから走るよ
しっかりつかまっててね」
こうして ぼくは
有無を言わせず 不思議な館に 連れていかれた

???「ただいまーっ!」
ぬいぐるみたち「まじょさま!」「まじょさまおかえりなさい!」「おかえりなしゃい!」
まじょさま?「みんな~新しいご主人様に挨拶しな」
ぬいぐるみたち「ごしゅじん?」「ごしゅじんさま?」

ぬいぐるみメイド「お帰りなさい、ご主人さまっ♡」
少年(ぬいぐるみが 動いて喋ってる! 不思議だ・・・・・・)
まじょさま?「この子達は この館のメイドなんだ
今日からキミがご主人様ね」

少年「え?」
少年「あの……」
まじょさま?「じゃーお風呂入れてもらってね
あとでディナーで会いましょう」
ぬいぐるみメイド「ご主人さま
おふろにお連れします」

少年「…………」
少年「帰ります」
ぬいぐるみたち「まって!」「うそ!」「え!!」
ぬいぐるみメイド「ご主人さま!待って!待ってください」
「おふろ入るととっても 気持ちいですよ」
少年「おふろに 入りたくないわけじゃな……い゛っ」

少年(がれきで足を痛めてたのか困ったな)
ぬいぐるみたち「だいじょぶ?」「平気?」「大丈夫ですかっ」「いたい?」
ぬいぐるメイド「おふろにおつれします!」
少年(チカラ持ちだな……)

【洗面・脱衣所】
ぬいぐるみメイド「ご主人さまの服きたない
すてちゃおう」
少年「自分で脱げるよ」
ぬいぐるみメイド「えんりょせず♡」
少年(館の中は どこもピカピカに掃除されている
メイドのみんなでどうやって
こんな広いところを 掃除してるのだろう)
少年「パンツはダメっ!」
少年(というかメイドたちも一緒に入るのか……?)

ぬいぐるみメイド「ご主人さま! あしもとに 気をつけて
こちらにおかけください」
ぬいぐるみたち「どーぞっ」「どうも」

ぬいぐるみメイド「これから ご主人さまの からだを
みんなでごしごししますね!」
少年(え!まさか
みんなの 体がスポンジ代わりなの!?)
(くすぐったいしなんか恥ずかしいよ…)

ぬいぐるみメイド「ご主人さま とっても
キレイになりましたね♡」
「では私たちも失礼して······」
少年(その泡風呂メイドのみんなが入る用だったんだ)
ちょっとガッカリ

少年(ぼくとメイドたちの
石けんの良い匂いが 部屋中に充満してる)
【つるピカまほうクリーム】
【風まほうドライヤー】
【まほうのパジャマ】サイズが自然にFIT
【極上ハンドマッサージ】
【ふわうさスリッパちゃん】
少年(お風呂できれいにしてもらって
ぼくの心も少し落ち着いてきた
みんなに運んでもらってディナー会場へ)

コンコン
まじょさま?「どうぞ〜」
「ご主人様クン♪キミのために豪華な晩御飯を用意したげたよ
じゃんじゃん召し上がれ♡」

少年(やっぱりなんだか このヒト?もぬいぐるみもおかしい)
(ここで断って立ち去らないといけない気がする)
少年「あの······助けていただきありがとうございます」
「おふろも気持ちよかったです」
(すごく嫌な予感がする……)
「ただ これ以上よくしてもらうのはっ
……ごめんなさい ぼく、 もう帰ったほうが

まじょさま?「あははっ まあいいから そこ座って食べなさいよ」
ぬいぐるみメイド「ご主人さま!ちょうちょカップケーキどうぞ♡」

まじょさま?「どう?美味しい?
人間の食事あんまり食べないから不味かったら ゴメンね」
少年(なんだこれ?美味しい???もっと食べなきゃ……)

まじょさま?「よかった 気に入ってくれた みたいだね」
「好きなだけ たっぷり 食べてネ♥」


少年(ここは……寝室?)

少年(ぼくって今まで何をしてたっけ)
ぬいぐるみたち「おきた?」「むにゃ…」「ねむれない?」
ぬいぐるみメイド「こもりうたを歌いましょうか?」
少年(子守唄って・・・ 赤ちゃんみたい)
「うん、お願い」
(まあどうでもいいか)

ねんねんころりよ♪
おころりよ♪
ごしゅじんさま♬
ごしゅじんさまよ~♪♬
ねんねしな♬
ねんねん~♪
まじょさま?「はあ~♡可愛い少年癒される~
拾えてラッキーだったワ♪
これから毎日楽しくなっちゃうな♡」